マンガアプリや電子書籍ストアが全盛を極める2026年現在においても、漫画版『皇国の守護者』がKindleをはじめとする各プラットフォームで配信されない理由は、日本の著作権法における「コミカライズ作品の権利構造」に起因しています。
小説を原作とするコミカライズ作品を電子配信または復刊する場合、作画者である伊藤悠氏の許諾だけでなく、原著作権者(原作者側)の正式な許諾と契約締結が不可欠です。しかし、原作者の佐藤大輔氏は2017年3月22日に虚血性心疾患のため52歳で逝去されました。
佐藤氏の逝去に伴い、著作権はご遺族を中心とする相続人へと継承されました。しかし、生前に集英社および漫画版の展開に対して強い不信感を持っていた経緯から、遺族・権利継承者側が過去の確執が存在したコミカライズ版の再利用を許諾することは極めて困難な情勢が続いています。原作小説版(中央公論新社)については電子書籍化が進んでいる一方、漫画版に関しては作画者・出版社・原作者遺族の三者が合意に至る現実的な枠組みが存在しないことが、電子化を阻む絶対的な壁となっています。