AV新法がもたらした最大の盲点、それは「問題の解決ではなく、単なる地下化と外部化」を引き起こした点にあります。
正規の国内メーカーがコンプライアンス順守のために採用を絞った結果、溢れた出演希望者や生活費を稼ぐ必要のある女性たちは、法の規制が及ばない領域へと流出しました。その受け皿となったのが、SNSを介した「個人撮影(個撮)」や、海外サーバーを利用した定額制ファンクラブプラットフォーム(OnlyFansやFC2、Pornhubなど)です。
国内の適正事業者であれば、警察OBの巡回や健康診断の義務付け、性病検査の徹底、撮影時の同意確認書類の厳密な管理が行われています。しかし、個人間のやり取りで行われるアングラ撮影には、そうした安全管理体制が一切存在しません。「無修正での流出」「避妊具をつけない危険な撮影の強要」「撮影データの買い取りを盾にした脅迫」など、新法が根絶しようとしたはずの悪質な被害が、公的な監視の届かない暗数として猛烈な勢いで再生産されているのが現実です。
取材に応じた捜査関係者は、「正規の看板を下ろした悪質なプロダクションや個人ブローカーが、法の抜け穴を利用して海外法人名義でコンテンツを配信するケースが増えており、被害届が出ても実態把握が極めて難しい」と警鐘を鳴らしています。法が正規市場を締め付けすぎた結果、皮肉にも出演者がより危険な環境へと押し出される結果となりました。