インターネット上の一部では、かつてきらら系作品に対して「ストーリー性が希薄で、美少女が戯れているだけの作品(いわゆる空気系・萌えアニメ)」という偏見やステレオタイプが存在していました。しかし、実際の作品群を丹念に検証すると、その認識がいかに実態と乖離しているかが明白になります。
例えば、芳文社『まんがタイムきららフォワード』連載の『がっこうぐらし!』は、日常系に見せかけた緻密なサバイバルホラー演出でアニメ史に残る衝撃を与えました。また、『NEW GAME!』ではゲーム会社で働く女性たちの労働環境やキャリア形成、後輩の台頭に対する焦燥感など、社会人が直面するリアルな葛藤を描き出しています。
さらに『ぼっち・ざ・ろっく!』では、極度の人見知りに悩む主人公の自意識や承認欲求の歪みを、ギャグを交えつつも極めて真摯に描写。芳文社の編集体制とアニメーションクリエイター陣は、「親しみやすいキャラクター造形の中に、人間の根源的な弱さや挑戦を忍ばせる」という高度なドラマツルギーを一貫して磨き続けてきたのです。