椎名もたさんの音楽人生は、驚くほど早い段階からスタートしていました。小学生時代から電子楽器に触れ、中学生だった14歳の頃(2008年)には「ぽわぽわP」というプロデューサー名でボーカロイド楽曲の制作・投稿を開始しています。
初期の代表作である『ストロボラスト』をはじめ、『アストロノーツ』『Q』『ピッコーン!!』など、エレクトロニカやポストロックの要素を巧みに取り入れたサウンドは、当時のボカロシーンにおいて極めて異彩を放っていました。浮遊感のあるメロディと、思春期の脆さや孤独、生きることの不器用さを生々しく描いた歌詞は、同世代の若者を中心に爆発的な支持を集めます。
10代半ばで渋谷系レーベルやクリエイター集団と交差し、アルバム『夢のまにまに』『アルターワー・セツナポップ』をメジャーリリース。若干ハタチ前後にして、すでにボーカロイド史に確固たる足跡を残すトップランナーのひとりとなっていました。