進学を検討する際、まず直面するのが「難易度」と「コスト」の壁です。ネット上では「日本航空大学校の偏差値はどのくらいか」という検索が後を絶ちませんが、結論から言えば、同校は文部科学省認可の専修学校(専門学校)および各種学校の枠組みに属するため、大手予備校が算出する一般的な学科試験の偏差値は存在しません。
実際の選考基準は、学科試験の点数よりも「航空身体検査基準を満たしているか」「面接での就航適性や協調性があるか」に重きが置かれます。選考倍率については、一般整備科やビジネス系学科が1.2倍〜1.8倍程度で推移するのに対し、操縦科(パイロット養成)は定員の少なさと適性検査の厳格さから実質倍率が3倍〜5倍以上に跳ね上がることも珍しくありません。
学費体系は学科によって極端に二極化しています。航空整備科や航空ビジネス科(CA・グランドハンドリング専攻)の場合、年間学費はおよそ130万〜160万円前後(初年度納付金含む)と、工業系・サービス系専門学校の平均値に収まります。対して操縦科は、アメリカや国内での実機フライト訓練費、燃料サーチャージ、各種ライセンス受験料が加算されるため、卒業までに総額で1,800万〜2,500万円超という医学部並みの資金計画が必須となります。
気になる就職実績ですが、航空整備士の合格率は国土交通大臣指定の航空従事者養成施設であるため、在学中に実地試験免除などの恩恵を受けられ、毎年極めて高い数値を叩き出しています。JALやANAの主要グループ会社、LCC各社、さらには自衛隊や官公庁ヘリ部隊への内定パイプは盤石です。
パイロット就職率に関しても、自社養成試験や航空大学校(宮崎)受験に敗れた層が最後の砦として入学するケースが多く、近年の機長・副操縦士不足を背景に地方航空会社やLCCへの就職決定率は高水準を保っています。ただし、パイロットライセンスを取得しても「身体適性の急変」や「最終面接での脱落」リスクはゼロではない点に留意しなければなりません。