日本人のパンダ観の根底には、アニメーションが植え付けた原風景がある。1970年代、のちにスタジオジブリを創設する高畑勲が演出を手掛け、宮崎駿が原案・脚本・画面構成などを担当した名作『パンダコパンダ』だ。巨木のようなパパンダと天真爛漫なミミ子の交流は、いま観ても色褪せない躍動感に満ちている。
この作品が提示したのは、単なるキャラクタービジネスではない。圧倒的な包容力を持つ異形の存在が、日常の空間にすんなり溶け込む心地よさだ。日本のファミリーアニメが培ってきた温かな視線は、この初期の名作によって決定づけられた。巨匠たちが若き日に注ぎ込んだアニメーション表現の情熱は、半世紀以上の時を経た今もなお、世代を超えて受け継がれている。