軽井沢大賀ホールの奇跡|五角形の音響美と座席・アクセス完全解説

軽井沢大賀ホールの奇跡|五角形の音響美と座席・アクセス完全解説

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軽井沢大賀ホールの誕生は、日本の企業史・文化史においても極めて異例のプロジェクトでした。東京藝術大学出身のバリトン歌手でありながら、ソニーのトップとして世界初のCD(コンパクトディスク)規格化などを主導した大賀典雄氏。彼が2001年にソニー取締役会議長を退任する際、支給された退職慰労金約16億円を軽井沢町へ全額寄贈したことが、すべての始まりです。

大賀氏は別荘地としての軽井沢を深く愛すると同時に、「本物のクラシック音楽を心から堪能できる、音響的に完璧な中規模ホールが日本にはまだ少ない」という長年の問題意識を抱えていました。寄贈にあたって氏が掲げた条件は極めて明確で、「理想的な音響空間を実現すること」と「町民や来訪者が気軽に本物の芸術に触れられる拠点とすること」でした。これを受けて軽井沢町は敷地を提供し、2005年4月に開館を迎えました。

館内には大賀氏が実際に指揮棒を振った当時の記念資料や、氏の音楽に対する哲学を物語る展示が残されています。単なる自治体の箱物行政ではなく、「トップ経営者であり一流音楽家でもあった一人の情熱」が具現化した場所であるという事実が、ホールの特別な品格を形作っています。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。