代表曲『まつり』をはじめ、日本人の喜怒哀楽を朗々と歌い上げてきた北島三郎の足跡は、そのまま戦後日本の大衆音楽史と言っても過言ではない。とりわけ『NHK紅白歌合戦』における歴代最多級の出場記録と数々の大トリを務めた雄姿は、国民の記憶に深く深く深く刻まれている。
現在、生放送の長丁場番組に出演する機会こそ減ったものの、NHKの特別番組やアーカイヴ企画などを通じてそのメッセージは発信され続けている。歳月を経て声帯の深みが増し、かつてのような圧巻の声量で押し切るスタイルから、語りかけるように情感を紡ぎ出す表現へと深化。演歌界の至宝として、その歌声は今も聴く者の胸を熱く揺さぶる。