「クロナッツ」の発明者として世界を席巻したドミニク・アンセル(Dominique Ansel)をはじめとするモダン・パティシエたちは、伝統の技法に科学的アプローチを融合させている。生地を切り出すナイフやピザカッターの切れ味ひとつとっても、層の仕上がりに直結するからだ。
切れ味の悪い刃で生地を押し潰すように切ってしまうと、断面の層同士が圧着してしまい、焼成時に綺麗に膨らまなくなる。鋭利なルーラーやカッターを使い、一気に一刀両断することで、断面のレイヤーを生かす。成形時に引っ張る力(テンション)も最小限に留め、生地自体の弾力を活かして自然に巻き上げることが、ふんわりと大きく膨らむ秘訣となる。