仮釈放の審査が事実上極限まで絞り込まれた結果、全国の重罪受刑者を収容するLB級刑務所(刑期が長く犯罪傾向が進んだ者を収容する施設)の現場では、深刻な構造的変化が生じています。
法務省関係資料や現場の元刑務官への取材によると、無期懲役囚の多くが刑務所内で老衰や疾患を迎え、仮釈放されることなく獄舎の中で一生を終える「獄死」を選択肢なく迎えています。年間で仮釈放を許される人数よりも、所内で病死・自然死する受刑者の数のほうが遥かに上回る逆転現象が定着しているのです。
かつて社会を震撼させた重大事件の無期懲役受刑者が獄中で綴った手記や獄中書簡には、出口の見えない拘禁に対する生々しい絶望が記されています。
「10年が過ぎ、20年が過ぎても、審査のテーブルにすら上がらない。かつて夢見た社会復帰の希望は完全に消え失せ、ここはただ死を待つための場所になった」
公判時には「死刑を免れた」と安堵した受刑者が、収監から数十年を経て認知症を発症し、自らが犯した罪や置かれている立場すら忘却しながら車椅子生活を送り、刑務官による介護を受けて一生を終える。現在の刑務所現場の一部は、事実上「厳格管理型の終末期介護施設」の様相を呈しています。「無期懲役は甘い」という世論の直観とは対照的に、現場の受刑者が直面しているのは、「事実上の絶対的終身刑」として機能する終わりのない隔離という過酷な現実です。