氣比神宮が「北陸最強のパワースポット」と称される背景には、単なる観光的宣伝ではなく、古代日本の成立期から続く圧倒的な歴史の重みがあります。社伝によると、その起源は神功皇后が三韓征伐からの帰途、皇子(のちの応神天皇)とともに参拝したことに始まるとされ、文武天皇の大宝2年(702年)に現在の地に社殿が造営されました。
主祭神として祀られているのは伊奢沙別命(いざさわけのみこと)です。別名を「御食津大神(みけつおおかみ)」や「笥飯大神(けひのおおかみ)」と呼び、人々の命を支える食物・穀物、そして海上安全・大漁満足を司る神として崇敬されています。『古事記』や『日本書紀』には、応神天皇が皇太子時代に敦賀を訪れ、伊奢沙別命と名前を交換したという「名替えの神話」が記されており、皇室との極めて深い繋がりを物語っています。
境内には主祭神のほか、仲哀天皇、神功皇后、応神天皇、日本武尊、玉妃命、武内宿禰命の計七神が祀られ、これらを総称して「氣比七神」と呼びます。衣食住の安定から国家安泰、航海安全、延命長寿、武運長久まで、現世利益を網羅する神々が一堂に会している点こそが、氣比神宮が万能の守護神として畏敬される根本的な理由です。