圧倒的な映像美で知られる新海誠監督のアニメーション制作では、光の反射と空気感の描写が極限まで極められている。劇中に登場するキャラクターたちが着用する冬の装いや、マフラーをはじめとする衣装・布地の描写技法には、デジタル作画ならではの計算し尽くされたエフェクトが盛り込まれている。
繊維の毛羽立ちに夕日や街灯の光が透けるフリンジの表現や、ニットの網目に落ちる柔らかなハイライトの置き方は、画面全体に情緒的な質感をもたらす。単に服を描くのではなく、その場の温度や湿度の空気感までをキャンバスに閉じ込めるアプローチは、イラストレーターにとっても大いに学ぶべきポイントと言えるだろう。