ダックスフンドのオーナーコミュニティや知恵袋等の相談で頻繁に見受けられるのが、「カニンヘンとして購入したのに、成犬になったら5kgを超えてミニチュアサイズになった」「血統書詐欺ではないか」というトラブルです。この背景には、生物学的な遺伝構造とJKCの登録ルールに関する重大な盲点が存在します。
ダックスフンドのサイズ遺伝は、メンデルの単純な法則通りにはいきません。カニンヘン同士の交配であっても、祖先にミニチュアやスタンダードの遺伝子が含まれていれば、先祖返り(アタビズム)によって体が大きく成長することがあります。
さらに重要なのは、JKC登録基準 ダックスフンドの規定において、「生後15カ月を迎えた段階でクラブ展などの測定を受ければ、ミニチュアからカニンヘンへ、またはカニンヘンからミニチュアへと血統書の犬種区分を変更できる」という点です。つまり、子犬の段階で血統書に「カニンヘン」と記載されていても、それは「出生時の親犬の登録状況」を示しているに過ぎず、成犬時の胸囲が30cmを超えれば実質的にミニチュアサイズとして扱われます。
「絶対に3kg以下の超小型でなければ困る」という過度なサイズへの執着は禁物です。個体ごとの骨格形成や健やかな成長を第一に受け入れる心の準備が求められます。