「今年の漢字の発表日はいつ、何時から行われるのか」というスケジュールは、毎年メディア関係者にとっても最大の関心事です。
原則として、発表日は公益財団法人日本漢字能力検定協会が定めた毎年12月12日の「漢字の日」(「いい字、一字」の語呂合わせ)に固定されています。ただし、12月12日が週末にあたる場合でも日程は基本的に維持され、全国中継のカメラが清水寺へと集結します。
当日のタイムスケジュールは非常に緻密に管理されています。発表時間の詳細は午後2時(14時00分)。京都・音羽山清水寺の本堂奥の院舞台に、広島県熊野町産の特注巨大筆(重さ約4キロ)と、京都府指定無形文化財の技術で漉かれた特注の越前和紙(縦1.5メートル、横1.3メートル)が設置されます。
現場取材で明かされた驚くべき舞台裏の一つが、森清範貫主ご本人への情報伝達のタイミングです。漢検協会の集計責任者が厳封された封筒を携えて清水寺に入り、森貫主に結果が手渡されるのは、なんと揮毫のわずか数分前。事前練習は一切行われず、貫主はその場で初めて知った漢字の墨量、筆の運び、全体のバランスを瞬時に頭の中で組み立て、一発勝負で書き上げます。
揮毫が完了した瞬間、NHKの生中継をはじめ民放各局がテロップでニュース速報を打ち、大手ニュースサイトがプッシュ通知を一斉に配信します。あのわずか数十秒の静寂と緊張感こそが、日本の年末の空気を一変させる力を持っています。