深夜、ふと開いたX (旧Twitter)のトレンド欄に「大地震の予兆」「予言的中」といった不穏なワードが並んでいることがある。タイムラインを辿れば、不安を煽るような画像や、もっともらしいグラフを貼り付けた投稿がタイムラインを埋めている。これらに共通しているのは、読者の焦燥感を刺激し、反射的な拡散を誘発する構造だ。
YouTubeでも同様の現象が起きている。重々しいBGMとともに「迫る壊滅の日」を煽る動画が次々と再生回数を伸ばし、コメント欄には怯える人々の声が連なる。都市伝説・オカルトとしてのエンターテインメントの枠を越え、あたかも確定した未来であるかのように語られるこれらの言説は、情報を受け取る側の認知をじわじわと歪めていく。
情報拡散のスピードはかつてないほど速い。しかし、速度と正確性はまったくの別物だ。根拠のない噂が一人歩きを始めるとき、その背景には人々の「安心したい」「危険を回避したい」という切実な心理が潜んでいる。