テレビカメラの前で見せた大見得と、眼球をひん剥くようなポーズ。「芸術は爆発だ」というフレーズは、昭和から平成にかけて列島を席巻し、ある種のパロディとして定着した。だが、残されたスケッチブックの余白にびっしりと書き殴られた思索の断片を読み解くと、その軽快な響きとは真逆の、底知れぬ切迫感が浮かび上がる。
彼が説いた「爆発」とは、決して花火のような派手な散華や無責任な破壊ではない。全身全霊を無条件に外へ開き、瞬間ごとに己を惜しげもなく投げ捨てて無に帰すこと。妥協や保身に逃げ込もうとする自分自身を、一瞬たりとも許さず粉砕し続けることだった。アトリエの書棚に眠る未公開ノートには、幾度も書き直された筆跡で「綺麗であってはならない」「心地よくあってはならない」という自己への戒めが刻まれている。彼は大衆に媚びるための奇行に走ったのではなく、魂の純度を極限まで保つために、自らを絶え間ない危機へと追い込み続けたのだ。