記録が失われる被害を最小限に食い止めるため、国は「年金記録統合プロジェクト」を立ち上げ、全容解明に向けた大規模な調査に乗り出した。その一環として実施されたのが、全国の被保険者や受給者に対して過去の加入履歴を一斉通知する「ねんきん特別便」の配送である。この取り組みにより、数多くの持ち主不明記録が本来の所有者へと結び付けられた。
統合処理のカギを握ったのは「基礎年金番号」の一元化である。以前は厚生年金や国民年金ごとに別々の番号が割り振られることも珍しくなく、これが記録脱落の元凶となっていた。番号の統合によって多くの記録が復元されたものの、旧姓のまま放置された記録や手書き台帳の読み取り不能データなどは残り続け、課題を完全解決するには至らなかった。