OD研究の第一人者である田中英高医師は、この疾患が単なる「怠け」ではなく、自律神経の制御メカニズムが一時的に破綻した自律神経機能障害であることを強調し続けてきた。成長期における急激な身長の伸びやホルモンバランスの変化に伴い、脳への血流維持機構が追いつかなくなるのが病態の根本にある。
小児精神神経学の視点からも、心理的ストレスと自律神経の乱れは密接にリンクしていると指摘される。新学期や環境の変化が引き金となり、症状が増悪するケースは少なくない。単に血圧の数値のみを追うのではなく、心身両面からの包括的なアプローチによって自律神経のバランサーとしての機能を再構築していく作業こそが、薬物療法の真の目的といえる。