当時の報道を振り返ると、その過熱ぶりは凄まじかった。2010年代前半、週刊誌の紙面を飾ったのは、東京・麻布や六本木の夜の街を舞台にした密会疑惑だ。プロ野球界最高峰の年俸を誇るスーパースターと、勢いに乗る若手芸能人。カメラマンの密着取材と張り込み合戦は過激を極めた。
当時はスマホやSNSの黎明期にあたり、情報の主導権は紙媒体とテレビのワイドショーが握っていた。裏付けの乏しい噂話や怪文書レベルのネタまでがスポーツ紙の裏社会面に躍り出る時代。情報が確定的な事実として定着する前に、大衆の好奇心という巨大な渦の中に飲み込まれていった。