かつてダンスといえば、10代や20代前半の若者がストリートで競い合う世界だった。だが、いまスタジオのドアを叩いているのはスーツを脱ぎ捨てた30代、40代の社会人たちだ。この大きな潮目の変化を後押ししたのが、各種SNSと巨大エンタメプロジェクトの存在だ。
TikTokやInstagram、YouTubeをひらけば、キレのあるステップで魅了する動画が日常的に流れてくる。「自分もあんな風にかっこよく動いてみたい」。見る側だった視聴者が、自己表現のプレイヤーへと一転するケースが激増した。さらに、ジャンルや事務所の垣根を取り払ってダンスの熱量を届けるプロジェクト「D.U.N.K.」などの存在も、大人たちの背中を強力に押し込んでいる。
もうひとつの要因は、フィットネス・ウェルネス業界における潮流の変化だ。ジムのランニングマシンでひたすら走るストイックな運動より、音に合わせて仲間と身体を動かす快感。心身のバランスを整えるウェルネスの選択肢として、ダンスは最もエネルギッシュな選択肢として定着した。