この革新的な履き物を生み出したのは、豊かな自然と職人文化が息づく静岡県静岡市に拠点を置く株式会社水鳥工業だ。代表の水鳥正志氏は、地域の歴史的産業である駿河塗下駄の伝統を継承しつつも、時代に取り残されつつあった伝統工芸品産業の未来に強い危機感を抱いていた。
厳しい状況が続く日本の履物製造産業において、伝統を守る最高の手段は「現代人が本当に履きたいと思うものを作る」ことだった。木材の選定から乾燥、削り出し、塗り、そして鼻緒のすげ替えに至るまで、熟練職人の技術を集約。こうして、伝統美と機能性を兼ね備えた唯一無二の履き物が誕生したのである。