前衛的な洋画の刺激と絶妙なコントラストを描くのが、静寂な美をたたえた日本画の数々だ。とりわけ広島出身の巨匠・平山郁夫による作品群は、この美術館の大きな柱となっている。シルクロードの果てしない砂漠や、静穏な夜の色彩を捉えた柔らかな筆致は、観る者の心に深い安らぎと平和への祈りを静かに問いかけてくる。
また、かつて城下町として栄えたこの土地の歴史を感じさせる近世・近代の美術工芸も見逃せない。地元にゆかりのある作家たちが手掛けた緻密な漆器や陶芸作品は、職人たちの息づかいすら伝わってくるような精密さを誇る。ローカルな歴史の重みとグローバルな芸術の感性がひとつの空間で響き合う展示構造は、訪れるたびに文化の深い奥行きを実感させてくれる。