食道裂孔ヘルニアと混同されやすいのが「逆流性食道炎」である。実際には、食道裂孔ヘルニアが存在することで逆流性食道炎が引き起こされるケースが極めて多い。
問題なのは、長期間にわたって強い胃酸に晒され続けた食道粘膜が変性し、「バーレット食道」と呼ばれる状態へ移行するリスクがある点だ。これは将来的な食道がんの発症リスクを高める要因としても知られている。「市販の胃薬を飲めば治るだろう」と安易に考えて放置することは、極めて危険な選択と言わざるを得ない。継続する胸の痛みや声の掠れ、呑酸(どんさん)を感じた場合は、専門医による内視鏡検査が不可欠となる。