舞台だけでなく、テレビドラマの世界でも彼の存在感は唯一無二だった。とりわけNHK大河ドラマ『樅ノ木は残った』(1970年)での主演・原田甲斐役は、今なお語り継がれる傑作として知られる。伊達騒動の渦中で悪名を着せられながらも忠義を貫く主人公の苦悩を、静謐かつ重厚に演じ切った。
さらに『国盗り物語』における斎藤道三役など、骨太な時代劇には欠かせない重鎮として君臨。スケールの大きな演技と、悪役であってもどこか気品を漂わせる佇まいは、茶の間の視聴者を魅了し続けた。時代劇というジャンルの黄金期を支えた立役者であった。