漢字の「当」と「然」を組み合わせたこの言葉は、「そうあるべきこと」「道理にかなっていること」を表す。辞書の記述を紐解くと、岩波書店が刊行する辞書などでは「道理からいって当然そうあるべきこと」と定義されており、客観的な妥当性や論理的必然性が根底にあることが理解できる。一方、独自的で鋭い語釈で知られる『新明解国語辞典』の視点を参照しても、感情的な主張ではなく、論理や社会的規範に裏付けられた確実性がその核心にあることが示されている。
類語として挙げられる「必然」「自明」「然るべき」との違いも明確だ。「必然」は因果関係によって他になりようがない状態を指し、科学的・論理的な要素が強い。「自明」は説明を要さないほど明白な事実を指すのに対し、「当然」は社会通念や道徳的判断を含むケースが多い。単なる言い換えに見えても、その背景にあるロジックの性質が微妙に異なっているのだ。