観光情報誌やSNSのショート動画では、通天閣メインストリートの大看板を掲げる大型店舗や食べ放題店が頻繁に取り上げられます。しかし、地元に根付く食通たちが足を運ぶ動線は全く異なります。
ジャンジャン横丁の熱気と行列の裏側
地下鉄動物園前駅から通天閣へと続く約180メートルの商店街「ジャンジャン横丁(南陽通商店街)」は、昼前から串カツの芳ばしい香りと活気に包まれています。「八重勝」と「てんぐ」が向かい合うように構える一角は、平日であっても30分〜1時間待ちの列が日常茶飯事です。
現場観察で特筆すべきは、カウンター内における職人たちの淀みない連携です。注文を受けてから具材に粉とバッター液をくぐらせ、均一な温度管理がなされたフライヤーへ投入。揚がる瞬間の気泡の音を聞き分け、油を完璧に切って提供される串は、チェーン店の量産品とは一線を画す軽やかさを誇ります。
地元民が愛好する「隠れた穴場」の選定基準
行列を避けて本場の味をじっくり楽しみたい地元常連客は、大通りから一本入った路地裏の個人店へ向かいます。
例えば、前述の「越源」や、創業から変わらぬ佇まいを守る「やっこ」などは、席数が10席前後のカウンターのみ。派手なネオンサインはありませんが、店主が目の前で1本ずつ揚げる臨場感と、仕入れに妥協しない魚介・野菜串の瑞々しさは圧倒的です。こうした穴場店では、ハイボールや生ビールに串4〜5本を合わせて1,500円前後の「せんべろ(千円でべろべろ)」が今なお健在です。