奥村展征という野球人のキャリアを語る上で外せないのが、2015年1月に起きた人的補償移籍のドラマです。2013年ドラフト4位で読売ジャイアンツに入団し、ルーキーイヤーから二軍で実戦経験を積んでいたわずか1年後、FAで巨人へ移籍した相川亮二捕手の補償選手としてヤクルトスワローズへの移籍が発表されました。
当時わずか19歳、高卒2年目を迎える選手が人的補償の対象となるのはNPB史上でも極めて珍しいケースであり、球界全体に大きな衝撃を与えました。突然の環境変化に直面した奥村氏でしたが、戸惑いを隠しながらも「自分を必要として指名してくれた球団で結果を出す」と前を向く覚悟を決めました。
ヤクルト入団後は、首脳陣から持ち前の野球センスと勝負度胸を高く買われ、一軍の緊迫した場面で起用される機会が増加。巨人在籍時の悔しさをバネに、持ち前の大きな声と気迫あふれるヘッドスライディングで神宮球場を沸かせ、チームに不可欠なピースへと成長を遂げていきました。