現在のラジオパーソナリティとしての顔しか知らない若い世代にとって、彼女がかつて本格派ボーカリストとしてチャートを賑わせた事実は新鮮に映るかもしれません。春原佑紀の芸能界入りは、1990年代前半のシンガー活動が起点となっています。
決定的な転機となったのは、1996年8月21日にリリースされたシングル「ポーラスター 〜君だけ信じて〜」でした。観月ありさ主演で最高視聴率を連発したフジテレビ系ドラマ『ナースのお仕事』第1シリーズの主題歌に大抜擢され、パワフルかつ透明感あふれるハイトーンボイスで日本中の茶の間を魅了。当時全盛期を誇ったビーイング系や小室プロデュースのダンスポップが席巻する邦楽シーンにおいて、ストレートなポップロックナンバーとして異例のロングヒットを記録しました。
続く「AGAIN」などの楽曲でも高い歌唱力を証明した彼女ですが、音楽活動を通じて培った「言葉を届けるリズム感」と「発声の明瞭さ」は、のちのラジオパーソナリティ転身において最強の武器となります。当時の歌唱を知るオールドファンが現在も『it!!』のコアリスナーとして定着している点も、彼女のキャリアにおける特異な強みといえます。