夜中に突然叫ぶ2歳の夜驚症|夜泣きとの違いと絶対に起こさない理由

夜中に突然叫ぶ2歳の夜驚症|夜泣きとの違いと絶対に起こさない理由

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深夜から未明にかけて、突然飛び起きて泣き叫び、手を激しく振り回して逃げ惑うような動作を見せる夜驚症。国際分類では睡眠時随伴症(パラソムニア)と呼ばれる小児期特有の睡眠障害に位置づけられています。一般的な医学統計では4歳から12歳頃が好発年齢とされていますが、臨床現場では2歳前後からの発症事例も数多く報告されています。

この現象の核心は、ノンレム睡眠(深い眠り)における脳のアンバランスな覚醒にあります。人間の睡眠は、浅い眠りで夢を見る「レム睡眠」と、脳を休める深い「ノンレム睡眠」が周期的に繰り返されています。夜驚症が発生するのは、入眠からおよそ1時間から3時間後に訪れる、最も深いステージのノンレム睡眠中(徐波睡眠期)です。

2歳児の脳神経系は急激な発達の渦中にあり、睡眠と覚醒を切り替えるスイッチ機能がまだ未成熟です。深い眠りから浅い眠りへ移行するタイミングで脳のバグが生じ、感情や恐怖、本能的な防衛反応を司る「扁桃体」や運動系ネットワークだけが突如として覚醒状態に跳ね上がる一方、理性や記憶、認知を司る「大脳皮質」は深い眠りに沈んだまま取り残されてしまいます。

つまり、身体と本能の警報装置だけが猛烈に作動し、意識は完全に眠っている状態です。目を見開いて親の顔を見て叫んでいたとしても、網膜に映る映像を大脳が認識していません。本人は夢を見ているわけでも、親を拒絶しているわけでもなく、脳の局所的な覚醒パニックが引き起こす自律神経の過興奮(頻脈、発汗、呼吸促迫)に身体が突き動かされているに過ぎないのです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。