『恋はつづくよどこまでも』の成功を語る上で欠かせないのが、視聴率の異例の推移です。初回放送の世帯平均視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と堅調なスタートを切ったものの、回を追うごとに右肩上がりに数値を伸ばし、最終回では15.4%を叩き出しました。深夜帯に近い火曜22時枠において、初回から最終回にかけて5ポイント以上も視聴率を跳ね上げた事例は、近年の民放連続ドラマでも極めて稀有な現象です。
物語の主軸は、偶然の出会いから天堂浬に一目惚れし、彼を追ってナースとなった佐倉七瀬が、周囲から「魔王」と恐れられる超ドSな天堂に対し、無謀とも言えるアプローチを繰り返す「勇者」の奮闘劇。佐藤健が演じる天堂浬は、完璧主義で口が悪く、七瀬を「岩石」と呼んで突き放しながらも、患者に対する深い慈愛と医師としての強い使命感を併せ持つ陰影のあるキャラクターでした。
報道関係者やテレビ誌デスクが当時一様に驚嘆したのは、佐藤健の「画面越しに視聴者を射抜く視線と間の取り方」です。冷徹な態度の奥に見え隠れする不器用な優しさが視聴者の保護本能と恋愛感情を同時に刺激し、放送当日の火曜夜にはTwitter(現X)の日本・世界トレンドで「#恋つづ」がトップを独占。まさにテレビドラマが持つリアルタイムの熱量を最大限に爆発させた瞬間でした。