2021年秋、立浪監督の就任とともに片岡は二軍監督として中日に入団しました。球団関係者の証言によると、立浪体制の基本方針は「意識改革と若手の底上げ」であり、二軍の統括役には、阪神での一軍打撃コーチやヘッド兼打撃コーチの指導経験を持ち、選手への寄り添いと厳しさを併せ持つ片岡が最適任と判断されました。
二軍監督としての片岡は、若手選手に厳しい練習を課しながらも、精神的な支えとなる対話を重視し、一定の評価を得ていました。そして就任3年目を迎えた2024年シーズン、立浪監督は勝負の年と位置づけ、片岡を一軍ヘッドコーチへと昇格させます。
この昇格の背景には、2年連続最下位に沈んでいたチームにおいて、指揮官である立浪と選手の間を取り持ち、戦術面の参謀役を務められる「最も信頼できる人間」が必要だったという切実なチーム事情がありました。しかし、この一軍ヘッドコーチへの配置転換こそが、結果として二人の関係に最も過酷な負荷をかける引き金となっていきます。