一口に胃腸炎と言っても、その病原体は大きく分けて「ウイルス」と「細菌」の2種類が存在します。両者は原因物質だけでなく、発症までの時間や症状の重さにも明確な違いがあります。
ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)は、わずか数十個から数百個のウイルス粒子が口に入るだけで感染します。胃腸炎潜伏期間はノロウイルスで1〜2日、ロタウイルスで2〜4日程度と比較的短いのが特徴です。吐き気や嘔吐が先行し、続いて水のような下痢が起こります。
対して細菌性胃腸炎(カンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌など)は、加熱不十分な鶏肉や汚染された食材を介して発症します。潜伏期間はカンピロバクターで2〜7日とやや長く、激しい腹痛、高熱、そして時に血便を伴うのが特徴です。
周囲への二次感染において最も注意すべきなのが胃腸炎うつる期間です。症状が治まった後も、ノロウイルスなどは便中に1〜2週間以上(長い場合は1か月程度)ウイルスが排泄され続けることが分かっています。「症状が消えた=他人にうつらない」ではない点に十分な配慮が求められます。