長年続いた偽装生活に終止符が打たれたのは、2011年12月31日の大晦日でした。平田は夜間に警視庁本部周辺へ姿を現し、最終的に丸の内警察署に出頭して逮捕されました。この出頭劇の直前には、本富士警察署の派出所を訪れたものの当直員に悪質ないたずらと誤認されて追い返されるという、前代未聞の警察不手際も明らかになっています。
法廷証言や手記で語られた出頭の理由は、複合的な心理的要因が絡み合っていました。
- 東日本大震災(2011年3月11日)の衝撃:東北地方で多くの尊い命が一瞬で失われた惨状をテレビで目の当たりにし、「自分だけが身元を隠してぬくぬくと逃げ続けていることへの強い後ろめたさ」を抱いたこと。
- 支援者女性への過重な負担:自らの逃亡のために女性の人生を縛り続け、精神的・経済的に追い詰めていることに対する限界と贖罪の意識。
- オウム裁判の節目:教団幹部らの死刑判決が次々と確定していくなか、自らの関与した事件に区切りをつけなければならないという焦燥感。
「このまま逃げ続けても死ぬまで怯えるだけだ」という限界点に達した平田は、女性と話し合いを重ねた上で、自ら出頭する決断を下しました。平田の出頭後、逃亡を助けた女性も犯人蔵匿容疑で警視庁に自首し、後に執行猶予付きの有罪判決を受けています。