「紙巻きから加熱式に変えたから、タール被害はもう関係ない」と考える人は少なくありません。実際のところ、紙巻きタバコ、加熱式タバコ(アイコス・グロー等)、電子タバコ(VAPE)における有害性の差はどこにあるのか。公的データと検証結果をまとめた比較表が以下です。
日本呼吸器学会や海外の保健機関が繰り返し警告している通り、加熱式タバコのタール被害をゼロとみなすのは大きな誤りです。アイコスのタール含有量については、パッケージに数値が記載されていません。これはタールが含まれていないからではなく、現行の測定法(ISO法など)が「紙巻きタバコの煙」を前提に作られた基準であり、加熱式タバコから出るエアロゾル(蒸気)を公正に測る統一規格が国際的に定まっていないという法制度上の抜け穴に過ぎません。
実際、独立した研究機関の成分分析では、加熱式タバコの蒸気中からも微量の発がん性ニトロソアミンや揮発性有機化合物(VOC)が検出されています。紙巻きタバコに比べて有害成分の発生量が低減されているのは事実ですが、「低減=安全」を意味するわけではありません。一方、電子タバコのタールフリーの安全性に関しては、タバコ葉を使用しないためタール起因の発がんリスクは原理的に大幅カットされますが、蒸気化したグリセリンや香料成分による気道への影響など、中長期的な観察が求められています。