ネットニュースやSNSで最も誤解されやすいのが「貯水率の計算基準」です。ダムの貯水率は、ダムが満水になる最大容量(総貯水容量)に対する割合ではなく、その季節ごとに定められた「利水容量(または利用可能容量)」を基準に算出されます。
たとえば、台風に備えてあらかじめ水を抜いている夏場(洪水期)は、満水時よりも貯められる上限値が低く設定されています。この時期に「貯水率60%」と表示されていても、それは「夏の運用上限に対する60%」を意味しており、冬場の60%とは絶対的な水量が異なります。
また、宮ヶ瀬ダム過去の水位比較を検証すると、例年5月から6月にかけて急激に水位が下がり、秋の台風や秋雨によって一気に回復するサイクルが標準パターンであることが分かります。この運用サイクルを知らずに部分的な数字だけを切り取ると、不必要な不安に煽られてしまうのです。