読者の多くが抱く「なぜ強豪に勝っても順位が上がらないことがあるのか」「格下に勝ったのにポイントが減ったように感じるのはなぜか」という疑問。その鍵は、2018年8月から採用されている「SUMアルゴリズム(Eloレーティング方式)」にあります。
現在のポイント計算式は以下の通りシンプルですが、各変数の重みが勝敗の重圧を左右します。
【計算式】:P = Pbefore + I × (W - We)
- Pbefore:試合前の保有ポイント
- I(試合の重要度):親善試合(国際Aマッチ期間外=5、期間内=10)、大陸選手権予選・W杯予選=25、大陸選手権本大会(準々決勝まで=35、準決勝以降=40)、W杯本大会(準々決勝まで=50、準決勝以降=60)
- W(試合結果):勝利=1、引き分け=0.5、敗北=0(PK戦勝利=0.75、PK戦敗北=0.5)
- We(期待勝率):1 ÷ (10^(-dr/600) + 1) ※drは両チームのポイント差(自チームポイント − 相手チームポイント)
ここで極めて重要なのが「We(期待勝率)」の存在です。例えば、FIFAランク15位の日本(1650pt)が、ランク100位前後の相手(1250pt)と対戦した場合、dr(ポイント差)は400点となり、計算上の日本の期待勝率は約85%を超えます。
この試合で日本が勝利(W=1)しても、(W - We)の数値は「1 - 0.85 = 0.15」と極めて小さくなります。W杯予選(I=25)であっても、獲得できるポイントは「25 × 0.15 = 約3.75ポイント」に過ぎません。
逆に、万が一引き分けた(W=0.5)場合、「0.5 - 0.85 = -0.35」となり、「25 × (-0.35) = マイナス8.75ポイント」。格下に不覚を取れば、試合に負けていなくとも大きくポイントを削り取られる構造になっています。これこそが、FIFAポイント変動理由における最大の「重み付けの罠」です。