極厚肉を科学で極める!ステーキ低温調理で肉汁が溢れ出す黄金律

極厚肉を科学で極める!ステーキ低温調理で肉汁が溢れ出す黄金律

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肉汁の保持においてカギを握るのは、タンパク質の熱変性(アクチン・ミオシン)の挙動だ。肉の主成分であるミオシンは約50℃から変性を始め、旨味を抱え込んだまま柔らかいゲル状へと変化する。一方で、筋繊維を強く収縮させて水分を絞り出してしまうアクチンは、65℃を超えたあたりから急速に変性する。つまり、54℃〜58℃の狭いウィンドウこそが、水分を失わずに繊維を解きほぐす奇跡のスイートスポットとなる。

赤身のきめ細かさと繊細な脂を持つ牛サーロイン・シャトーブリアンを調理する場合、この温度管理の差は歴然と現れる。厚さ3cmのシャトーブリアンなら55℃で約1時間半から2時間。サシの入った牛サーロインであれば、脂がほどよく溶け出す56.5℃で2時間が理想的なアプローチだ。芯まで均一に火が通ることで、ナイフを入れた瞬間に鮮やかなロゼ色の断面が現れ、噛むごとに閉じ込められていた肉汁が口いっぱいに広がる。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。