逮捕後に行われた精神鑑定では、司法精神医学の第一人者たちが総力を挙げて彼女の精神構造を分析した。そこから浮かび上がってきたのは、裕福で恵まれた家庭環境で育った「聡明な優等生」としての顔と、肉体破壊への執着を深める「冷徹な観察者」としての二重性だった。
鑑定医の前で彼女は、自らが描いた絵について淡々と語ったという。自作の解釈を述べる姿には罪悪感や途惑いは一切なく、まるで他人の実験データを報告するかのような客観性すら漂わせていた。精神鑑定の結果は、彼女が高度な自閉スペクトラム症(ASD)的素質を持ちつつ、サイコパシー(精神病質)的な特質を強く併せ持っていたことを示唆している。絵画は、その二つの領域が交差する歪んだ精神の出口となっていた。