世界的な視点で見ると、「蛇口から出る水をそのままゴクゴク飲める」という環境は、決して当たり前ではありません。国土交通省や日本水道協会の公表資料によると、国土全域で水道水をそのまま飲める国は、世界約190カ国中、日本を含めてわずか10〜15カ国程度にとどまります。
水道水が飲める国と海外との比較において、アイスランド、フィンランド、ドイツ、オーストリア、ニュージーランドなどは安全に飲用できる代表格です。しかし、先進国であっても事情は異なります。たとえばアメリカでは、広大な国土ゆえに水源や配管の劣化状況による地域格差が激しく、フリント市での鉛汚染問題のように深刻な水質汚染が社会問題化しました。また、ヨーロッパの多くの地域は硬度が高い「硬水」であり、衛生面では安全であっても胃腸を壊しやすいため、日常的な飲用にはボトル入りの水を選ぶ住民が少なくありません。
こうした国際事情を背景に、訪日外国人が日本の水道水を口にした際の驚きはSNSでも頻繁に話題となります。「成田空港のトイレやホテルの洗面所の水がそのまま飲めるなんて信じられない」「日本の水道水は軟水でクセがなく、舌触りが驚くほどまろやか」といった日本の水道水の海外の反応や評判は、極めて好意的です。外国人旅行者が検索窓に「is tap water in japan safe to drink」と打ち込む背景には、母国では常識である「生水を飲んだら体調を崩す」という前提があるため、日本の水インフラの完成度の高さは彼らにとってカルチャーショックとなっているのです。