悲劇が起きたのは2018年(平成30年)9月4日午後のことでした。非常に強い勢力で近畿地方に上陸した台風21号は、大阪湾周辺で観測史上最大級となる最大瞬間風速58.1メートルを記録。関西国際空港の連絡橋にタンカーが衝突するなど、都市機能に甚大な打撃を与えました。
この猛烈な暴風を受け、大阪市大正区泉のゴルフ練習場に設置されていた高さ約40〜50メートルに及ぶ巨大な鉄骨ポール複数本が、基礎部分や接合部から折れ曲がるようにして敷地外へと崩壊。道路を挟んで隣接していた住宅街を直撃しました。
倒壊した重量鉄骨とワイヤーネットは、住宅の屋根をへし折り、2階部分を完全に圧迫。駐車していた車両を押し潰し、電線を切断して一帯を停電に追い込みました。当時の報道記録や被災住民の証言によれば、「雷のような轟音とともに天井が落ちてきた」「一瞬で家が押し潰され、命からがら外へ逃げ出した」という凄惨な状況でした。奇跡的に住民や利用者に死者は出なかったものの、全壊・半壊を含め十数棟の住宅が甚大な被害を受け、住居を失った住民は長期の避難生活を余儀なくされました。