ふたりの出会いは、2005年11月にクランクインした冨永昌敬監督の映画『パビリオン山椒魚』(2006年秋公開)の撮影現場でした。主演を務めたオダギリジョー(1976年2月16日生まれ)と、ヒロインを演じた香椎由宇(1987年2月16日生まれ)。当時、香椎はまだ大学に通いながら女優業を行う18歳、オダギリはすでに国内外の映画祭で高い評価を得ていた29歳の実力派俳優でした。
現場でのオダギリは、周囲に媚びることなく自分のペースを崩さない香椎の凛とした姿勢に強く惹かれたと明かしています。一方の香椎も、独特の感性と誠実さを持つオダギリに自然と心を開いていきました。交際がスタートしたのは映画の撮影終了後のことでした。
世間を最も驚かせたのが、ふたりの誕生日が全く同じ「2月16日」という事実です。これは作為的なものではなく、文字通りの偶然の一致でした。年齢差はちょうど11歳差。干支も同じ「辰年(たつどし)」という巡り合わせです。オダギリ自身、交際当初に誕生日が同じであることを知った際、「こんな奇跡的な偶然があるのか」と強い運命性を感じたと当時の取材で述懐しています。
そして2007年12月27日、都内のホテルで開かれた結婚記者会見のエピソードは、現在も芸能史に残る名場面として語り継がれています。当時20歳の香椎は現役の女子大生であり、厳格な父親のもと「門限22時」を守る家庭環境で育っていました。オダギリは香椎の父親に挨拶へ向かった際、奇抜なファッションを封印して仕立ての良いスーツを着用し、父親の課した厳しい門限のルールを交際中も徹底して守り抜いた誠意を伝えたといいます。この真摯な態度が父親の心を動かし、2人の結婚が正式に認められました。そしてふたりは、互いの誕生日である2008年2月16日に婚姻届を提出したのです。