近年の海洋環境の変化や燃料高騰の波は、日本の水産業界全体に厳しい影を落としている。その激動の中にあって、明神丸の母体である株式会社明神水産は、漁獲から加工、そして外食産業での直接提供に至る強固な六次産業化モデルを確立してきた。単なる飲食店チェーンとは一線を画し、海で命を張る一本釣り漁師たちの誇りをそのまま都市の食卓へと届けるパイプ役を果たしている。
資源管理を意識した持続可能な漁のあり方を模索しながら、伝統の藁焼き文化を次世代へと継承していく姿勢。外食・水産業の架け橋としてのその挑戦は、一皿のタタキを通じて食べる者の心にダイレクトに響いてくる。食を通じて海の今を知り、土佐の気風に触れる――これこそが、旅人がこの地に足を運ぶ最大の意義だろう。