結論から整理すると、目上の上司や社外の取引先に対して「教えてください」を単体で使うのは避けるべきです。文法上、この言葉は動詞「教える」に接続助詞「て」、そして補助動詞「くださる」の命令形である「ください」が組み合わさった「丁寧語」に分類されます。丁寧語は相手に対する一定の敬意を含みますが、本質的には相手に特定の行動を促す「命令」の構文です。
文化庁が策定している『敬語の指針』においても、相手に行動を依頼する際は単なる丁寧語にとどまらず、自己の立場を低くして相手を立てる「謙譲語」や、相手の意思を尊重する「疑問形・依頼形」への展開が推奨されています。「教えてください」と言い切る形は、「自分に教えるのが当然である」という一方的なニュアンスを含みやすく、受け手によってはぶしつけな印象を抱いてしまいます。
特に社外の関係者や役職の高い目上の人物に対しては、相手の貴重な時間を割いて情報を提供してもらう立場であることを自覚しなければなりません。「教えてもらう」行為を丁寧語だけで済ませるのではなく、相手への配慮と謙虚さを込めた表現を選択することが、ビジネス敬語における最低限のマナーです。