この商品の最大のアイデンティティといえば、おまけとして封入されていた「転写シール」でした。プラスチックの定規や爪の背を使って擦り、ノートや筆箱、時には自分の肌にまで絵柄を移して遊んだ体験は、昭和から平成、令和を過ごした世代共通のノスタルジーとなっています。
1990年代の登場以降、時代とともに歴代パッケージのデザインも進化を遂げてきました。アニメ版の作画リニューアルに伴うビジュアルの変更はもちろん、歴代の『映画ドラえもん』シリーズと連動した期間限定デザインなど、パッケージそのものがひとつのコレクションアイテムとして親しまれていました。
包み紙の内側にもクイズや迷路といった仕掛けが印刷されており、単なるお菓子を超えた「遊べるエンターテインメント菓子」としての完成度は群を抜いていました。シールを擦りすぎて紙が破れてしまった失敗談も含め、細部にまで散りばめられた工夫がロングセラーを支えていたのです。