日本のストリートカルチャーやインテリアデザインと融合し、独自の進化を遂げたのが塊根植物・アガベカルチャーだ。パキポディウム・グラキリスの丸みを帯びたフォルムや、アガベ・チタノタの獰猛な鋸歯。これらを自らの手でタネから仕立て上げるプロセスそのものが、クリエイティブな表現手段として若年層を中心に熱狂的な支持を集めている。
このブームは、旧態依然としていた園芸・多肉植物産業のビジネス構造をも根底から覆した。苗木をただ仕入れて売る時代は終わりを告げ、血統の確かな種子をいかに安定確保し、コミュニティへ供給できるかがショップの命運を分ける。種子から育て上げた個性豊かな株が高値で取引される二次流通市場の拡大も手伝い、産業規模は右肩上がりの成長を続けている。