地元で囁かれた様々な憶測に対し、業界関係者への取材から浮かび上がってきた飯塚市の式場閉館理由には、大きく分けて3つの構造的要因が存在します。
第1に、筑豊エリアにおける婚礼需要の急激な変化です。2010年代後半以降、100名規模を招く大規模披露宴の需要が全国的に減少し、20〜30名規模の「少人数婚・家族婚」や挙式を行わない「フォトウェディング」へとシフトしました。グランドベルズ飯塚のような大型バンケットを複数抱える総合結婚式場は、固定費の維持が極めて重い構造になっていたのです。
第2に、福岡市内への需要流出が挙げられます。交通インフラの発達や新郎新婦の価値観の多様化により、「挙式は博多や天神のゲストハウス・ホテルで行い、地元からは送迎バスを出す」というスタイルが定着。地元完結型の婚礼が年々シェアを落としていました。
第3に、ベルコグループ全体のドメインシフトです。高齢化が進む地方都市において、婚礼事業から高需要が続く葬祭事業(シティホール等)へ経営資源をシフトさせる戦略が全国規模で推進されており、ベルコ飯塚式場の再編もその既定路線であったといえます。