法律上に「独身税」という名称の税金が新たに創設されたわけではない。それにもかかわらず、国民がこれほど過敏に反応する背景には、2026年から導入される「子ども・子育て支援金」制度の構造的な偏りがある。
この制度は、公的医療保険料に一定額を上乗せして徴収する仕組みだ。実質的な社会保険料の値上げであり、独身者・既婚者を問わず労働者全員から等しく徴収される。しかし、支援金の使途は児童手当の拡充や育休手当の給付増額など、子育て世帯への給付に特化している。つまり、独身者にとっては「払うだけで見返りが一切ない」状態が生じるのだ。
こども家庭庁は「児童手当の対象拡大や少子化克服は将来の社会基盤を支えるためであり、全員で負担すべきだ」と説明する。だが、物価高に喘ぐ独身者から見れば、税金や保険料が一方的にむしり取られる感覚に他ならない。制度上の名目は支援金であっても、実質的には独身者に過度な負担を強いる「独身税」として受け取られるのも当然と言える。