移動式クレーン運転士の免許を取得する際、知っておくべき決定的な業界の常識があります。それが「移動式クレーン実技試験免除」の仕組みです。
国家試験を主催する安全衛生技術センターで実技試験を直接受けると、受験料自体は数千円で済みますが、初見のクレーン機体や独自の採点基準によって不合格を繰り返すリスクが極めて高くなります。そこで9割以上の受験者が選んでいるのが、厚生労働局長登録の教習所(クレーンスクール)に通うルートです。
教習所で定められた実技教習を修了し「実技修了試験」に合格すると、1年間にわたり安全衛生技術センターでの実技試験が全額免除されます。教習所内の試験はインストラクターから教わった機体とコースそのままで受けるため、修了試験の通過率は極めて高く、実質的な合格保証ルートとして機能しています。
気になる移動式クレーンの取得費用ですが、教習所に通う場合、所持免許(普通免許や大型免許の有無)によって多少前後するものの、総額13万〜18万円程度が相場です。また、移動式クレーン教習所の日程は、学科教習と実技教習を合わせて概ね6〜8日間で組まれており、土日連続コースや合宿コースなどを展開するスクールも増えています。
さらに、現場で即戦力として働く上で絶対に外せないのが「玉掛け資格の同時取得」です。法律上、クレーンの運転士免許を持っていても、ワイヤーロープをフックに掛けたり外したりする「玉掛け作業」を行うことはできません。教習所の多くは移動式クレーンと玉掛け(1トン以上)のセット割引講習を提供しており、日程を連続して組むことで受講料を1〜2万円節約しながら、現場で重宝されるWライセンスを最短2週間足らずで手に入れることができます。