ネット上の掲示板やレビューを細かく観察すると、稀に「思っていたよりもスープの味が薄い」「ハーブの香りが控えめで本場感に欠けるのではないか」という相反する意見が見受けられます。しかし、これはベトナム料理の本質的な食作法に対する誤解に基づいているケースが大半です。
ベトナム現地、特にハノイをはじめとする北部では、出汁そのものは塩分を控えめに優しく仕上げ、卓上に用意されたヌクマム(魚醤)、ライム、生唐辛子、チリソースを客自身が加えて味を完成させる「足し算の美学」が基本です。ニャーヴェトナム恵比寿本店のフォーが初期状態で過度な塩気を排しているのは、手抜きではなく、正当なベトナム食文化への敬意と忠実な再現に基づいています。
また、日本国内で調達可能な最上級のフレッシュハーブを使い分けつつ、パクチーに関しては料理によって別添え対応や調整が可能であるため、「エスニック特有の強い香味が苦手な同伴者」がいてもトラブルになりません。本場の伝統を守りながら、日本の外食シーンに適応させた柔軟なサービス設計が施されている点こそが、長寿営業の裏にある真実です。