大手掲示板やSNS、当編集部が行った受療行動に関する聞き取り調査では、医療機関選びで後悔した患者たちの生々しい声が数多く寄せられています。そこから見えてくるのは、クリニックの知名度や立地条件だけでは測れない「受療の盲点」です。
都内在住の30代男性会社員は、長年の鼻呼吸困難に悩み、駅前で大行列を作っていた評判の耳鼻科に半年間通い続けました。「診察時間は毎回1分足らず。『季節の変わり目だから』と点鼻薬を渡されるだけでした。疑問に思ってCT設備のある別の耳鼻咽喉科へ転院したところ、重度の副鼻腔炎と鼻中隔弯曲症が即座に判明。内視鏡手術を受けた結果、あれほど苦しんだ鼻づまりが嘘のように消失しました。もっと早く転院すべきだったと悔やんでも悔やみきれません」と当時の後悔を吐露しています。
また、小さな子どもを持つ母親からは、予約システムに関する切実な意見が寄せられました。「共働き世帯にとって、子連れで待合室で2時間待たされるのは拷問に等しい。耳鼻咽喉科WEB予約・当日診療がスマートフォンで完結し、順番が近づいたら呼び出してくれるクリニックに変えただけで、受診ストレスが激減しました。週末の急変にも対応してくれる耳鼻咽喉科土日祝診療の拠点があることは、子育て世代にとって死活問題です」と語ります。医療の質とは、医師の腕だけでなく、受診者の心理的・時間的負担を軽減するシステム設計とセットで評価されるべき時代になっています。